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視覚障害者にとっての「点字」とは?

点字を人類の歴史における言語の一分野として考えてみます。
言語には、聴覚による音声言語、視覚による文字言語、触覚による身体言語があり、点字はこの身体言語になります。

音声言語の「言葉」は、乳児期、幼児期を経て、高校卒業ぐらいまでにその発達を遂げます。学習開始時期が少々遅れても、習得に影響は少ないものと考えられています。
「文字」の学習も、幼児期から学校などで行ない、高校卒業ぐらいまでに、社会人として必要な文字を修得します。
「点字」の学習も、幼児期から高校卒業ぐらいまでに学習した人が、読む速度については最も速いのです。

ここで一般社会における、点字についての大きな誤解を解いておきます。
点字を指先ですらすら読めることを知ると、視覚障害者なら、誰でも読めると考えがちではありませんか? 
そうではありません、視覚障害者もそうでない人も、指先の触覚の能力は同じであす。
私の場合、20歳ごろから点字を学習しましたが、指での読み速度は、幼児期から学習している人に比べ、おおよそ3分の1の速さです。

フランス語の点字一覧表

点字の生い立ち

点字は、1825年に、16歳のフランスの視覚障害者、ルイ・ブライユにより発明されました。
日本語では「点字」と呼ばれますが、フランス語や英語では、発明者のBraille(ブレイル)が点字そのものの名前になっています。

天才の発明に、きっかけはありました。1800年の初期に、フランス軍の砲兵士官シャルル・バルビエが、夜でも触覚で読める12点の暗号を考案しました。
つまり、点字発明の原点は、晴眼者が晴眼者のために発明しようとしたものです。このことは、現在の情報化社会において、点字の応用に大きな示唆を与えるものです。
つまり、点字が晴眼者にも役立つということです。

ブライユは、この12点の暗号に満足せず、今でも使われる6点式点字を発明しました。この6点にまで縮小したことが、指先で点字をようやく読めるようにしました。
また彼の天才性は、点の63通りの形を十進数的分類である「ブライユの点字配列表」を仕上げたことに、その真価があります。

日本語点字五十音表

日本語カナ点字

これが普通、日本で点字と言われているものです。ここで、点字の6点における各点の呼び方を説明します。
3点ずつある縦の左側の点を、上から、「1の点」「2の点」「3の点」と呼びます。同様に、右側の3点を、上から「4の点」「5の点」「6の点」と呼びます。

日本の点字は、ルイ・ブライユの点字を継承し、1990年に石川倉次により、今のカナ点字の基本が作られました。
通常の日本語の文字と異なるところは、漢字がなく、仮名についても平仮名・片仮名の区別がありません。しかし、日常的に使う分には便利です。
そのほかの特徴として、通常の文字と異なり、「゙」を表す濁音符、「゚」を表す半濁音符を清音の前に置くことです。また、「ゃ、ゅ、ょ」の小文字を用いず、やはり、拗音符を清音の前に置きます。
これらの前置が通常の文字と大きく違う訳ですが、指先の触覚で読むのには、非常に合理的です。

詳しくは日本点字表記法に示され、学校教育や社会での点字として通用します。
しかし、成人してからの年齢では、指の触覚での訓練が困難であり、視覚障害者でこの点字を便利に用いている人は、おおよそ10%ぐらいと言われています。

画像1

6点漢字体系

6点漢字体系を一言で言えば、コンピューターで扱える世界中の、すべての文字を表現できる「通常の文字に一対一に対応した点字体系」です。
具体的には、Unicode(世界中の文字を2バイトで表す国際規格の16ビットコード)を含んでいます。

平仮名と多数の漢字を基本モードとして表現します。数字は、ルイ・ブライユの数字をそのまま用います。外国語は、日本点字表記法の外国語引用符の中で書きます。
これによって英語のアルファベットトなど、世界の文字が書ける訳です。
点字で普通に書く仮名が平仮名です。片仮名は、片仮名モードで書きます。

約3千字の多く使われる漢字を3マスの6点漢字で表現します。先頭の2マスで漢字の音読みを表現します。同音の漢字を3マス目で区別します。
「山」と「参」は同じく「サン」ですが、3マス目が「や」と「ま」になります。